まるでパンを食らうように

在宅ジャニオタ男子。ドドドドド新規。

嵐「THE DIGITALIAN」感想

嵐の15周年、だけどアニバーサリーじゃないアルバムを聴いたのでダーッと感想を書いた。事前に仕入れた情報はほぼジャニーズwebの記事のみ。大野振り付け、櫻井作詞が今回の目玉なのはわかっていたけれど、個人的な好みはそのどちらでもない曲でした。Twitterに書いたものの加筆修正版。





◆1.Zero-G

音源発表直後に一部で「歌詞がエロい?」と話題になっていた、今回のリード曲。デジタルから始まるこのアルバムで最もデジに寄っている曲が最も人間の本能に近い性的なことを歌っているのが面白い。初回盤付属のDVDで公開された振り付けには「人類の進化」を想起させるものもあったので、原始というワードは関係ありそうです。歌詞カードを見ているとほとんど英語の中に入る「ときめき」がファニー。

◆2.Wonderful

イントロで「はいはい、大野ソロだな」と思ったら違いました。この曲もエロですね。惑わされるのではなく惑わす方。さすが嵐、大人のダンディズム。女声との掛け合いはテーマオブカミセンっぽい。

◆3.Tell me why

タイトルは英語だけれど、歌詞は日本語が中心なので耳に入りやすい。なのになぜか洋楽のような印象。スローなバラードに分類されるのかな?終わった恋を歌う歌詞に二番Aメロの相葉→二宮→松本のソロの繋ぎが合っていると感じた。櫻井さんは合いの手とラップに専念?このアルバムは前から後ろに向かってデジタル→ヒューマンに流れていくということで統一感がないシングルの入れどころがぴったりとハマっているのだけれど、デジタル→ヒューマンがボーカルの印象だと大野智櫻井翔になっていくような気がする。

◆4.Asterisk

来ました、作詞・作曲・編曲:100+先生(Believeの人)!順番的にさっきよりもデジじゃねーのかと少し思う。アイドルソングとしてはエレクトロにカッコよすぎてあんまり引っ掛かりはないです。ラップパートの量が多いのが特徴。この文量の多いラップパートで急にヒューマンに寄るような感覚がある。

◆5.Imaging Crazy(大野智ソロ)

大野さんの特徴として、音程の正確さと高音の強さ、感情の乗りすぎないボーカルがあると思うのですが、それにプラスこのソロでは英語の発音の綺麗さが味わえる。この「Do...while」だけずっと聴いていられる。大野智という歌手の恐ろしいのは、高音域が綺麗だとなんとなく歌が上手いことになってしまうので忘れられがちですが、1:08~「捕らえないまま望み描いては」の低音もきちんと歌えるということだと思う。専門的な難しいことはわからんのですが、大野さんは音域は女性並みに高いのに男らしく艶っぽい声だな。コンサートでどう披露するのか(どこが生歌になるのか)わからないのでまだ何とも言えないけど、この曲はまともに歌おうとしたら低いところから急にものすごく高くなるようなんですけど…。

◆6.GUTS !

「弱くても勝てます」主題歌で、たぶん今年の嵐の歌で一番有名なやつ。このへんからだんだんヒューマンに寄っていく様子。冷静に歌詞を見ると「僕らだけの革命」とかなかなか恥ずかしいフレーズだな…。運動会とかでチビッコが踊ったら泣きそうですね。

◆7.Disco Star(相葉雅紀ソロ)

志村けんの動物番組に出ている「相葉ちゃん」しか知らない人には驚くほどの肉食系ぶり。「迷える子羊よ/こっちくればいい」「キバを向いたオオカミは」のフレーズが直接的すぎな気もしますが、相葉ソロでエロ(セクシーではない)というのは軽く革命。過去の相葉ソロで恋愛絡みだと2011年の「じゃなくて」がありますが、「じゃなくて」では好きな女の子を口説けない、いい人止まりの相葉ちゃんでしたが今年の相葉ソロはだいぶ違う。一晩に五人くらい女を抱き捨てていそうな相葉雅紀を見たい方はどうぞ、って感じです。歌詞はエロエロなんですけど、相葉ちゃんの声に人間らしい感情があまりないのでその「抱き捨てる」感じ、ワンナイトの快楽って感じがしました。確実にモテてます。自己プロデュースに厳しい相葉雅紀がこの曲をソロに選んだ経緯は既出ならちょっと知りたい。

◆8.誰も知らない

「死神くん」主題歌。大野さんのドラマ主題歌ということもあるけれど、「Truth」から繋がる嵐の大人度が高いセクシーさがある曲だと思います。メンバーのソロパートでは、二宮さんの「tears & smiles」の乱暴さが淡々とした曲の中に入るといいと思った。「truth」→「Monster」→「誰も知らない」大野智ドラマ主題歌のダークなカッコいいソングの流れはあるのではないですかね。衣装が黒になる系のやつ。

◆9.TRAP

なんだかこのアルバムの嵐は全体的に強気なのですが、とうとう「さぁさ世界のド真ん中/突っ切って行け」なんて言い出したぞ…お前らSMAPかよ…アルバムの中でちょうど真ん中になりますが、意外とまたピコピコめに戻る感じです。ちょっとデジタリアンのタイトルに引っ張られすぎているのでピコピコ度合いで聴いてしまう(笑)

◆10.STAY GOLD(松本潤ソロ)

作詞に松本潤さんご本人が関わっているソロ曲!ショーマストゴーオンと言われるとどうしても階段から落ちる堂本光一がチラつきますが、松本さんも光一さんと同じくジャニーズのステージを作る人の一人。その精神は受け継がれているようです。さすがMJ!ぶっちゃけそんなに好きなやつじゃないんですけど、これだけステージに対しての強い思いを語りながら一人称が強気な「俺」ではなく真っ直ぐな「僕」というのが、松本潤の素直さというか愚直さというか中学生の時から「人を楽しませたい」という思いを持ち続けてきた生粋のエンターテイナーな所だなと。ちょっとこれはあれですね、過去の松本潤作詞楽曲の歌詞も見てみないといけない。松潤ちゃん要素はゼロ。完全にサングラスかけるフラグが立ってるので恐らく映像で見て評価が変わることはないと思う。いや、個人的な趣味ですよ。

◆11.Bittersweet

そんな松潤ちゃん主演のドラマ「失恋ショコラティエ」主題歌。ザ☆アイドルなキラキラソングで、PPPHが超やりやすいです。一番では大野→二宮→相葉→櫻井のソロパートが二番では松本→ユニゾン→ユニゾンになってるのが面白い。一番の松潤は下ハモかな?デジタルっつーかPerfumeなんだよな、リリースの時にも言われてたけど。それもPerfumeの中でもわりと可愛い系寄りの方。「誰よりも/君を」の松潤ちゃんの鼻にかかった声が松潤ちゃん松潤ちゃん。

◆12.メリークリスマス(二宮和也ソロ)

二宮和也による二宮和也のためのアイドルソングのお時間です!いや~ももクロかと思った!ニノミヤこっち来たか!やられた!完敗!「こんなの初めて♡」が成立する31歳職業アイドル!二宮プロさすがっす!何も文句の付け所がない!カワイイって言えばいいんだろ、俺カワイイと思いながら歌ってんだろ、と思いながらも100%カワイイアイドルソングだった。二宮さん、女性アイドルに楽曲提供しようぜ。

◆13.キミの夢を見ていた

今回の新曲では唯一の日本語タイトル。歌詞もほとんど日本語。日本語だからこそストレートに入ってくる言葉があると俺は考えているのですが、コンサートを想定するとアイドルに「君のことをみつけた」と言われたら本当にたまんねえな。ユニゾン歌唱が揃っていて綺麗。

◆14.One Step

これも「One Step」というフレーズ以外はすべて日本語。サビ前で「託して」の一番高いところを歌っているのは二宮さん?ゆったりめのテンポは少し幼く聴こえて可愛らしい。「口笛で参加」、とwebに書いてあったのはたぶんこれだな。3:12~「名前もない/あの風景を/いつか出逢う/果てない夢を」の、大野智を追いかける二宮和也のボーカルの組み合わせの相性の良さ。

◆15.Hey Yeah!(櫻井翔ソロ)

一言で言うと「幸せなら手をたたこう」の櫻井翔バージョンの歌詞。作詞は本人が入っていないのですが、「Let Me Here You Say/いっせいのせい/Hey!我慢しない!」の韻の踏み方が気持ちいい。櫻井翔のリズム感の良さを楽しめる。教室の真ん中で手を叩いて笑っていたクラスのリーダーのサクショウさんがそのまま大人になったような感じ。櫻井さんはメロディーだと幼いというか甘い印象になる。「小さいこと気にせずに宇宙から見な」という歌詞は嵐の「身長差のない恋人」も似たフレーズがあるけど繋がりがあるかは不明。

◆16.Hope in the darkness

イントロでオーオー言ってるんでどうしてもサッカーのイメージを受けるんだけど、歌い始めるとガラリと印象が変わる。たぶん二宮松本のハモりがあるように聴こえるんだけど(「大地にそっと咲いた花のように美しく」とか)、間違っていそうだな。「満天の星のように/生まれた神秘」の松本ソロパートがどうしようもなく松潤ちゃんだった。二宮ソロパート「未開拓な」が子供っぽい。うん、嵐が言うなら素晴らしき明日はあるんだろうよ、と思いました。で、なんでタイトルは横文字にしたんだよ、そこは「素晴らしき明日へ」でいいだろ…。

◆17.Take Off !!!!! <BONUS TRACK>※通常盤のみ

櫻井翔作詞!っていうだけでこの曲は得をしているところがあるけれど、そんなにいいもんかっつーとアレンジの妙な気もする。ラップはないらしいのに速さのせいかラップの気がしてしまうAメロ。サビはアニソンっぽい。タオル振り回し系。「5つの輪の向こう」は完全に幼児向け変身アニメのにおい。嵐ってヒーローなんだな。





全体で言うと、そんなに音源だけで惹かれる曲はなかったんですけど、やっぱり二宮ソロがズバ抜けてキラキラしていていいよなあ…。アイドルに求めてるのはこれだよ(笑)
前半から後半へ大野(大人、艶)→櫻井(野性的、いたずらっぽさ)の流れに他の三人が声の役割毎に入れられている印象。ask.fmで他の三人の声についても書いてくれと投げ込まれていたのでちょっと書いてみると、女声並みの高音に艶のあるシックな大人の大野、リズム感が良くラップでは低音で力強く言葉を刻んでいくのにメロになると急に甘ったるくなる櫻井、感情的でない声が今回のテーマの一つのデジタルに合う相葉、言葉の切り方がぶっきらぼうでしゃくりが多い二宮、低音部担当ながらもその真っ直ぐな拙さがどこか幼さを感じる歌声の松本、という印象です。数年前から二宮和也松本潤のハモりも強化している嵐ですが(二宮→上ハモ、松本→下ハモ)、今回のアルバムでもちょこちょこそんなところが見つかりました。そもそも嵐で二番目に歌える二宮さんと、限りなくドベに近い松潤ちゃん。ごめんよ松潤ちゃん。でも上手くなってると思うよ松潤ちゃん(技術の進歩かもしれないけど)。相葉ちゃんの声が特徴的すぎてハモりに向かないのでこの二人になったのだろうけど、やっぱり松本さんがなあ。嵐の声のアイドル成分は70%くらい相葉ちゃんが担っているので、後はとにかく松本潤が音痴脱出したらかなり変わりそう。櫻井さんも音痴寄りというか小学生の合唱みたいな感じだけど、翔さんにはラップという伝家の宝刀があるから……松潤ちゃんボイトレ頑張ってください(笑)
今最もアルバムの売れるジャニーズが15周年というどうしても気合いの入る年に出すオリジナルアルバム、なかなか楽しかったです。あの腰の重いことで有名なジェイストームが特典にダンスショットとメイキングを付けたことはだいぶ評価していいと思います。ジェイストやればできるんじゃねえかよ、おかげでV6のシングル特典が陰薄くなっちまったじゃねえかよ…まだ一回しか見れていない「Sky's The Limit」特典…。振りが完成されていない状態で確認していく作業が見られるのは新鮮だった。嵐らしさ=ちょいダサ小物感だと思うんで、ピコピコしないアルバムが出たらがっつり食い付きたいと思います。アイドルがちょっと壮大な話をし始めると引いてしまうタイプです。