ジャニーズのファーストアルバムを聴いてみる~Sexy Zone「one Sexy Zone」編~
近藤真彦さんがデビュー35年だという。それはめでたい。とてもめでたい。35年、辞めずに続けてきたのは祝われるべきことだ。ついでに、ここ数年は二分されていたジャニーズのメンバーもFNS歌謡祭*1ではほぼ全員が集合して、ジャニーズの長男たるマッチ先輩のアニバーサリーを祝った。諸々合わせて非常にめでたい。
めでたいのだが、そのFNS歌謡祭を見ていてあることに気づいた。今年35周年の近藤真彦さんは、つまり35年前はデビューしたてのピチピチな新人アイドルだったのだ。当たり前のことだが、マッチ=偉いおじさんという認識でしかなかった自分にとっては、VTRの中の近藤真彦少年が不思議だった。坂本昌行さんの誕生日にも同じ話をした気がするが、やっぱりおじさんは生まれた時からおじさんだったような気がしてしまうから仕方ない。
Myojoがジャニーズメンバーのジュニア時代について10000字インタビューの連載をしているが、あそこまで大風呂敷を広げてしまうと本気で掘り下げるのは素人には手に負えそうにない。ということで、ジャニーズの「ファーストアルバム」を聴き比べてみることにした。この動機でいきなり若者に行くのかよ、というツッコミが来そうですが発売が記憶に新しい、Sexy Zoneのファーストアルバムから聴いていきます。テーマは、「誰もがみんな、新人だった」!
Sexy Zone『one Sexy Zone』*2
参加メンバー
中島健人*3
菊池風磨*4
佐藤勝利*5
松島聡*6
マリウス葉*7
Sexy Zone オフィシャルサイト→http://sexyzone.ponycanyon.co.jp/
Sexy Zone-Wikipedia→http://ja.m.wikipedia.org/wiki/Sexy_Zone
◆01_完全マイウェイ
作詞:zopp/作曲:大隅知宇/編 曲:鈴木Daichi秀行
ジャニーズだとNEWS・テゴマス関連でよく名前を目にするzopp先生の作詞。zopp先生らしく勢いがあって明るく深いメッセージのない歌詞ですが、何も考えずに腕を振り回していられる曲。歌割はだいたい年上で歌唱力もある中島健人・菊池風磨と他の三人で分かれている様子。この基本の歌割はこのアルバム全体で見られます。
◆02_Silver Moon
作詞:上中丈弥/作曲:川口進, Christofer Erixon, Joakim Bjornberg/ 編曲:生田真心
関ジャニ∞には「昭和と平成跨いできました♪」と言わせたTHEイナズマ戦隊の上中丈弥作詞。夜空で輝く月をしっとり歌い上げます。少女向けアニメの主題歌のような乙女チックさ。ソロパートは歌える中島菊池に集中しますが、盛り上がっていくまっすぐな明るさは年下チームの高い癖のない声がいい魅力です。
◆03_Lady ダイヤモンド
作詞:松井五郎/作曲:馬飼野康二/ 編曲:船山基紀
初期のSexy Zoneの声はとにかく松島聡くんの高く素直な声が生かされていて、そこに大人の声になりかけた(と言っても今と比べると安定していない)年上二人のソロが入って本当に面白いのですが、特にこの曲は松島くんが良い!サビがかなり高いこともあありますが、Aメロで中島菊池のソロに入っていく子供の声がいい味出しています。お子様チームはマリウス葉君のフェイクも可愛い。
◆04_IF YOU WANNA DANCE
作詞・作曲:Shusui, Anders Dannvik /編曲:中西裕之
カッコいい、かなりストレートにセクシーなダンスナンバー。Sexy Zoneのファーストはメンバーの若さが一番の特徴ですが、このセクシーな英語詞を当時12歳のマリウス君にネイティブの発音で歌わせてしまうアンバランスさがたまらない。この曲でもうひとつ目立つのは菊池風磨さんのラップ。嵐の櫻井翔さんを尊敬する先輩に挙げている菊池さんですが、確かにこのラップには20歳前後の櫻井さんを感じます。
◆05_rouge(菊池風磨)
作詞:ケリー/作曲:Steven Lee, Drew Ryan Scott/編曲:川端良征
そんな菊池風磨さんのソロ曲は、櫻井翔路線かと思いきや先輩に例えるなら赤西仁さんのような雰囲気です。それを鼻にかかった低い声で、緩く流れるように歌っているのがなんともセクシーですね。菊池さんはここでもラップを披露。なんだかんだ能力の高い人なので、きっちり歌いながらも個性的。この声にはどうも退廃的という言葉が似合います。(※リプライでご指摘いただいて修正しました。失礼しました。)
◆06_GAME
作詞:ケリー/作曲:渡辺拓也/編 曲:mia
イントロがちょっとラテン?これもセクシーで、NEWSの「愛のマタドール」を思い出します。後にシングルでもトランプに例えて三角関係を歌うSexy Zone、この曲も恋愛の駆け引きをトランプゲームに例えています。アルバム全体を聴くと年下チームの若い時しか出せない声を前面に出して年上チームにはソロ曲を入れることでフォローしている印象なのですが、この曲は中島・菊池、そして佐藤勝利くんの声が目立っています。
◆07_君と…Milky way
作詞:松井五郎/作曲:Steven Lee/ 編曲:石塚知生
Aメロから中島・菊池・佐藤のソロで繋いでいきますが、テンポが遅いので誤魔化しがきかないところを技術のある中島・菊池コンビがカッコつけてカッコよく歌っていきます。その分、佐藤勝利くんの歌い方のぎこちなさが目立ってしまうところでもありますが、技巧的でない勝利ぽんの歌声はすとんと胸に飛び込んできます。
◆8_Sexy Zone
作詞:Satomi/作曲:馬飼野康二/ 編曲:CHOKKAKU
ジャニーズのデビュー曲、馬飼野康二、CHOKKAKU、ときたらもう外れはありません。すべてが大正解です。MildもWildになります。Sexy時代の幕開けです。地球も高橋颯くんも回ります。大人の決めたやり方が正解かどうかはわかりません。ある意味昭和でShowは無理!よりもインパクトがあるブッ飛び加減。高音域はやはり若い松島マリウスが目立ちますが、中島菊池もなかなか高いところまで頑張って出しています。実はセンター佐藤勝利くんは「セクシーローズ(囁き)」以外はあまり目立つところがなかったりする。いや~やっぱりアイドルのデビュー曲は景気がいい!
◆09_Don't Stop Sexy Boyz(Sexy Boyz)
作詞:Jinny/作曲:Andreas Carlsson, Samuel Waermo/編曲:河合英嗣
2014年にグループ再編が発表されたSexy Zoneファミリーですが、それでマリウス葉君がセンターになったユニットSexy boyzの原案とも言える、松島聡くんマリウス葉君がメインで同年代のジャニーズジュニアを従えたユニットです。ほぼ中高生ジュニアのユニットなので、ジャニーズらしくユニゾン歌唱。
◆10_きみを離さない きみを離れない
作詞:佐藤勝利/作曲:岡村洋佑/編 曲:生田真心
中島健人・菊池風磨にはソロ曲、松島聡・マリウス葉にはSexy Boyz、ということでセンターなのに声が目立たないので音源だけだと意外と存在感がなかった佐藤勝利くんの作詞にしてメインの曲。「月」「太陽」「地球」「星」というなんだか規模の大きいワード、そして「きみ きみ きみ 離れない 仕方ないだろ」という華麗な開き直りっぷり!さすがはMr.Sexy Zoneです。
◆11_We can be one
作詞:Satomi/作曲:Carl Utbult, Chris Meyer, arrow-/編曲:Carl Utbult
イントロは当時のメンバーの年齢を考えるとかなり背伸びした雰囲気に聴こえましたが、サビまで行くとだんだん明るくなります。ちょいちょい入ってくる気だるげな菊池さんがとても良い。「同じ時代にこの同じ地球で/終わりなき未来を/目指す仲間さ」というフレーズに地球上のあちこちで生まれたメンバーが揃っているというスケールの大きさを感じさせられる(つっても100%マリウス君のおかげですけど)。
◆12_Teleportation(中島健人)
作詞:MEG.ME/作曲:Steven Lee, Drew Ryan Scott/編曲:河合英嗣
中島ラブホリ健人さんのソロ曲は「CANDY ~Can U be my BABY~」がそのパフォーマンスの素晴らしさであまりにも有名ですが、東京にいる中島さんが遠くへいるキミへの元へと「テレポーテーション」すると歌うこの曲もなかなか……リアルな恋愛感情のように中島さんを好きでいるファンが比較的多いようなので、こういうのは嬉しいんじゃないですかね。ラブホリさんは世界観が完成されすぎていてちょっと下手に突っ込めない。
◆13_Sexy Summerに雪が降る
作詞:三浦徳子/作曲:Janne Hyoty, Martin Grano/編曲:鈴木Daichi秀行
真夏にサンタ衣装で狂気の沙汰だと言われ、年末の歌番組では松島くんだけ半パンで外に出されて寒そうだったトンチキの極み!俺はSexy Zoneの世界観はミニモニ。のキャラクターに通ずるものがあるのではと考えているのですが(ブッ飛んだトンチキ、大人と子供、国際的)、つまり「Sexy Summerに雪が降る」=「春夏秋冬だいすっき!」なんですよ。この正気の一欠片も残ってない詞が最高ですね。クリスマスなんて関係ないぜ、一年中愛してるぜ、と言ってることはKinKi Kidsの名曲「愛のかたまり」と同じはずなのに何がどうしてこうなった(笑)最後にメンバーそれぞれからファンへの愛のメッセージがセリフになっているのですが、「愛してるよ」がちょっと訛っている勝利ぽんがいいですね。
◆14_スキすぎて
作詞:亜美/作曲:磯崎健史/編曲: 清水哲平
小中学生女子のロコドルが歌っていそう。あんまり規模の大きいライブには向かない気がします。完全にコンサートでの披露を前提にした盛り上げ曲ですが、音源で聴いてみるとファーストコンサートで使われていたものよりもバックのアレンジを凝ってみているようです。この曲でもメンバーそれぞれのセリフ部分があるのですが、英語を割り振られたのがマリウス葉君の他に菊池風磨さんがいるのが注目ポイント。やっぱり菊池さんの路線はインテリな赤西仁なのかもしれません。
◆15_今日はありがとう
作詞:三浦徳子/作曲:Takuya Harada, Samuli Laiho, Pessi Levanto /編曲:佐藤泰将
タイトルから想像できる通り、まあそうでしょうなって感じでコンサートの最後に来てくれてありがとうとちょっと大袈裟に湿っぽく歌うための曲です。そのためテンポが遅い。歌い出しのソロを任された勝利ぽんの揺らめくような声が不安定なのが、本当に戸惑う感情を歌っているようでいい。
◆16_名前のない想い(中島健人・菊池風磨)
作詞・作曲:森大輔/編曲:森大輔
ジャニーズにおけるシンメ文化をここまでわかりやすく説明してくれた曲が他にあるでしょうか。「運命よりも近くて/奇跡よりも確かな/名前のない そんな想いが/僕らをつないでる」ジャニーズでのシンメと呼ばれる存在は、一蓮托生の相棒にも関わらず、自分で決められるものではないそうです。ただダンスで対になるだけでなく、シンメとしての人気が上がれば二人で高みを目指してきくこともできます。「小さな痛みさえ/分け合うことが僕の願い」十代でグループの年長組かつ人気メンバーとしてデビューし、今もシンメトリーで踊っている中島さんと菊池さん。歌にも当て書きというものがあるのなら、それはこの曲のことだろうと思います。
- アーティスト: Sexy Zone
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2012/11/14
- メディア: CD
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ということで、次に更新できるのがいつかはわかりませんが、こんな感じでジャニーズのファーストアルバムを聴いて記録することにしました。ファーストアルバムは一番最初にグループの方向はこれだとファンに見せるための一枚。どれも面白い予感がしています。
(追記12/27)リプライでご指摘いただいて「rouge」について修正しました。ありがとうございました。新規ファンなもんで、どうしても勘違いして覚えていたことや知らないことは出てくると思うので、何か見つかったらこっそり教えてください。いや〜このシリーズ前途多難だな!ちゃんと時間取って調べます…。