まるでパンを食らうように

在宅ジャニオタ男子。ドドドドド新規。

嵐・櫻井松本コンビについて本気出して考えてみた

というわけで嵐の櫻井翔松本潤、通称バンビコンビについてです。アクセス解析によると、このブログは「翔潤 ブログ」の検索でたどり着いた割合が高いんです。このコンビの話は強化月間の対象にした時しか書いていなかったのですが、気になったのでちょっと「翔潤 ブログ」っぽい話をしてみることにしました。
とはいえ俺は嵐に関してはお茶の間もお茶の間、この数年で増えたミーハー層のファンの一人にすぎません。そしてどんなに世の中に嵐ファンが増えても男子校だから周りにはいないし、土曜のフジは欠かさずに見てたけど嵐オタは絶対見てなきゃいけないらしい深夜時代の日テレは見てない。ファンと言うには中途半端なんですよね。それでも子供の頃から嵐のレギュラーは見ててそこそこ好きだし、全員揃ってれば髪型だけでいつの時期か見分けられるくらいには見てます。
そのくらいのやつから見た、まったく有益な情報のない適当な話。という前提で。














公式写真が少ない

ジャニオタの聖地・原宿ジャニーズショップでは、ジャニーズタレントのオフショット生写真を販売しています。行ったことがあればわかると思いますが、ジャニショの商品展示のほぼ半分が嵐です。すっげースペース取ってます。いつもV6の10倍くらいはあります。盛ってないです。マジですごい多いです。うらやましい限りです。苦情じゃないよ、やっかみです。集合・複合・個人のどれもたくさん揃っている上に、嵐はリリースが多いのでシングル3枚くらい前の写真も普通にあります。こないだのTOKIOなんてほとんどふざけた集合しかなかったのにな…(※買いました)。
そんなジャニショで写真をいっぱい売ってる嵐ですが、実は櫻井松本の複合は少ないです。いや、俺もコンビ担のファンが言ってるだけで嘘だろとは思ってたんですけどね。実際に行ってみると確かにないです。一度の新商品入荷で2種類あれば勝ち。ハグレメタル並み。全体数はあれだけ置いてあって、剛健より少ないこともあるってなんなんだ。
供給の乏しい翔潤コンビですが、かと言って需要がないわけでもないようなので、どうやら現場でツーショットが撮られにくいのではと考えられます。つまり、カメラがひとつのフレームに収められるほどベタベタしてない。


不仲?気まずい?遠慮してる?

スキンシップが多く世間一般に仲が良い微笑ましい集団だと思われてる嵐の中では、これはけっこう違和感を感じることです。たぶん2008年くらいにドバッと嵐ファンになった人たちのほとんどは「あれ……翔くんと松潤って実は仲悪い???」と思ったんじゃないでしょうか。俺もまごまご嵐とかやってた頃はこいつらいつでもよそよそしいな!って思ってた(笑)で、この二人が不仲なのではというのが仲良しな嵐のシークレットゾーンになってた時期っていうのが、まるごと松潤KAT-TUNみたいだった時期にあたるんですよ。ヤンキーっぽいのをKAT-TUNみたいって言うとKAT-TUNに失礼だけど(笑)ジンアカニシとジョーカーさんがいたあのギラついてるKAT-TUNって嵐と正反対なイメージだったと思うんですけと、当時の松潤はそのKAT-TUNにいても違和感がないくらいギラついてるように小学生時代の俺には見えていました。実際、その頃はちょっと尖っていたと本人やメンバーも振り返っています。



昔は仲よし!

そんな不仲説が流れる櫻井松本コンビですが、初めからギクシャクしてたわけではありません。中高生の頃はお互いの自宅に泊まりに行くほど仲もよかったそうです。
でも、この二人はジュニア時代はシンメでないしラインも違う、ジュニアの中でもまったく別のチームに分けられてた相手なんですよね。若手の主力の一人だった松潤ちゃんに対して、櫻井さんはジャニーズシニアと呼ばれてたこともあるらしい。今のように成人しているジュニアがゴロゴロいる時代ではないので、入った時期も違う年齢の差もある中高生のジャニーズジュニアにはちょっとした上下関係があったのではないのか、というのは想像に難くありません。入所から10年以上経った今でも嵐や関ジャニ∞の世代まではグループ内での上下がきっちりしてますからね。
そう、松潤は先輩である櫻井さんと仲良くなれても敬う気持ちを無くしませんでした。むしろすごいことになってる。細かいエピソードは書き出すの面倒なんで省きますが(ちょっと検索するとすげえ出てくるよ)、「僕のバカさをカバーする、あの知的さは最高だね!」「翔くんのファンの方には申し訳ないけど翔くんはあげない」「翔くんに見つめられるとドキドキしちゃうんだよね」などの迷言を残しています。ちなみにそんな松潤に対して当時の櫻井さんが言ったのが「育て方間違えた!」。後輩を「育てた」という自覚のある先輩。
俺がこの世で一番好きなコンビは剛健という双子じゃないのに双子みたい、在りし日の辻ちゃん加護ちゃんを彷彿とさせる質実剛健日々冒険!なわんぱくコンビなのですが、SMAP中居正広香取慎吾TOKIO城島茂長瀬智也といったジャニーズの師弟関係にも激アツなのでこの「育てた」というワードは見逃せません。子供の頃から育て上げられてジャニーズに染まった最年少。中居→香取ラインはバラエティでの姿勢とコンサートの作り方、城島→長瀬はギタリストとして、技術と精神を継承していると考えているのですが、櫻井→松本はそういう仕事に関わる具体的なことより生活指導や進路指導に重きがあったようなのが面白い。
そこから誰もが認める気まずいコンビになっていったあたりのストーリー、物語性の高さがこのコンビの最大の魅力なんだと思います。このコンビは、新規でも過去の文脈から行間を読んでいくことで見えてくる解釈の面白さがある。自分で読み込み咀嚼し理解するのはとても難しいけれど、美しく果てしない物語だ。


理由を考える

でも、今のジュニアを見てると同じくらいのラインでないメンバーとはなかなか話す機会もないような気がします。少年倶楽部で会うけどあんまり話したことなかったよね、みたいなジュニアの対談をちょっと前に読んだんだけど誰だったかな…。もちろん当時は今と違って、数十人のジュニアだけでTOKIO・V6・トニセン・カミセン・KinKi Kidsのバックを勤め、さらにはジュニアの冠番組まであった時代。ジュニア内ユニットの重みやメンバーの帰属意識もまったく違ったとは思いますが、どうしてこの組み合わせになったのか考えてみたいと思います。
まず、ジャニーズ歴もさることながら年齢の差があります。櫻井さんの方が松潤より2つ年上で、これは松潤と彼のお姉さんとの年齢差と同じ。育った家庭での兄弟構成はコンビを論じるのに大きな要素になると考えているのですが、この二人は兄・櫻井と末っ子長男・松本という組み合わせになるのでかなりわかりやすいです。最近も菊池風磨くんに腕時計をプレゼントしたことが話題になりましたが、櫻井さんは後輩にはわりと兄貴ぶって先輩風を吹かしたがるところがある。そして松潤は好奇心が強くて先輩から学ぶものがあれば貪欲に食らいつく。根っからの長男と末っ子が組み合わさって、十代の頃はお互いに補完する関係になったのかな?と思いました。
っていうのと、あと身長も大きいと思う。これは俺が成長期が遅かったから思ってたことなんだけど、中学くらいまでずっと人より背が低かったから同じ目線で話しにくかったんですよね。男子校という環境もあると思いますが、やっぱり小さい子扱いされるし。同年代の男だけのコミュニティーで小さい=自分より下の存在って扱いをされるのってけっこう悔しい。まあそれから30センチ伸びた今となっては後輩の小さい中学生とか小さいだけでクソ可愛いなペロペロって思いますけどね!で、仲良くなったきっかけのミニドラマでの共演があった1997年頃、櫻井さんと松本さんは二人とも周りの同い年よりも背が低い子だったみたいなんです。そもそもジュニア名鑑で身長体重を見てたら気づいたからこの記事を書くことにしたんですけど(笑)二人とも背が低いのにプラス97夏~00春まで身長の伸び率がほとんど同じ、つまりずっと目線が同じ高さなんです。

97夏→櫻井157cm/松本153cm
98夏→櫻井(+7)164/松本(+10)163
98冬→櫻井(+3)167/松本(+3)166
99夏→櫻井(+1)168/松本(+2)168
00春→櫻井(+1)169/松本(+2)170

※ジャニーズジュニア名鑑より

ジャニーズジュニアの話が俺の経験でわかるわけはないですが、思春期の男しかいないコミュニティーということで言うと男子校とちょっと似てるのかなと思います。
97年夏の時点では、松本さんは同い年である二宮和也さんと10センチも身長の差があります。で、俺の想像が合ってるかはわかりませんが、当時の二宮さんが松潤を小バカにしたような発言をしていたのはそこに原因があるのではないでしょうか。その点、櫻井さんはいくら先輩ぶられても見上げる角度で話さなくていい相手。目線が近いと自然と心理的な距離も縮まる。ジュニア時代は背も高く落ち着いた相葉二宮コンビと小さくて子どもっぽい松本斗真コンビで分かれていたみたいですが、そのへんに理由があったんじゃないかと思います。


嵐の「両輪」

そんなお二人について、櫻井さん自身が雑誌で「嵐の両輪」と発言しています。両輪。松潤は「嵐をどう見せるか」を考える人、自分は「嵐はどうあるべきか」を考える人。だから別なベクトルから意見を言いあえる。そのことを指しての表現ですが、ちょっとオタクがざわつきそうなワードですね(笑)
これを知った時、ちょっと不思議だなと思いました。並び立って嵐を押し進める役割ならば、年上チームの大野さんとの方が自然だ。バラエティなどのトークにおけるMCと盛り上げ役という連携なら二宮さん。なら、櫻井翔が自分と両輪、つまり対になる相手として松本潤を挙げているのはどんなシチュエーションを想定していたんだろう。
ひとつ考えられるのは、嵐が活動の中心としているコンサートでの役割です。
デビュー直後から嵐のコンサートの演出は松潤が担当し、その演出は高く評価されています。歌舞伎の世界に造詣が深く、マイケル・ジャクソン坂本龍一など他ジャンルの音楽に興味を持ち、ジャニーズ以外の最新のエンターテイメントを貪欲に取り入れるのが松本潤のエンターテイナーたる所以です。今ではジャニーズのコンサートの定番となった、透明なステージが客席の上を移動する「ジャニーズムービングステージ」の発案者も松潤。嵐がライブDVD売り上げの高いグループになれた大きな要因も、松潤の誰でも楽しめる五感に訴える極上のエンターテイメントなコンサートの作りの力でしょう。
コンサート本番が始まるまでの責任者、メンバーとスタッフのパイプ役が松潤なら、幕が上がってからの舵取りは櫻井さん。お決まりのコール&レスポンスで声出しをさせ、会場のファンの熱を盛り上げます。女性アイドル界隈ではファンが自発的に作るコールが一般的ですが、ジャニーズには曲中にファンがコールを入れる文化がほとんどありません(PPPHはやってる人も多いけど)。ただの「キャー!」という歓声ではない、指示の下に出るまとまりのあるコールは、これもまた嵐の楽しませるコンサートを作る大きな要素です。
スタッフ⇔メンバーの間を繋ぐプロデューサー的役割の松本潤。メンバー⇔客席の間を繋ぐディレクター的役割の櫻井翔。これ、コンサートというミッションを進めていく上での「両輪」ではありませんか?嵐でことパフォーマンス面の話をするとやっぱり大野智さんが飛び抜けているのが常識ですが、演者として最も優秀な大野さんはあまり裏方作業に関わっていないみたいなんですよね。最近はコレオグラファー大野とプロデューサー松本の打ち合わせ話が面白いんだけどそれは置いておく。
コンサートにおいての二人の連携は、プロデューサーとディレクターの関係だけではありません。2012年のアラフェスからは、松潤がDJコーナーを始めたことによりラッパー櫻井翔とDJ松本潤のコラボも始まりました。櫻井さんは幼少の頃からHip-hopに関心を持ち、「HIPなPOP」を自身の音楽面でのテーマとしている人です。そもそもラップとはDJのプレイを盛り上げるためのMCが生まれそれがラップに変わっていったもので、ラップとDJはヒップホップの四大要素と呼ばれているくらいなので当たり前ですがラップパフォーマンスはDJとの親和性が高い。普段は絡まないことで有名な櫻井松本コンビが、コンサートで、音楽の力によって、これほど濃密に絡み合いぶつかっているというのが面白い。
けれど、櫻井さんが「両輪」と言い表したのは音楽面に限った話ではないような気がします。
言われたことを言われたままにやるだけではアイドルをやれない時代。いろんなアイドルがいろんな方法をやり尽くして、選択肢の幅も埋まってきた時代。自ら考え、行動し、これまでアイドルの選択肢になかった道を切り開いてきたのが嵐でした。嵐ほど頭を使って成功したジャニーズは類を見ない。
そんな嵐というグループがこれからの行く先を決める時に、積極的に自分の意見を言う筆頭がこの二人だとメンバーは言います。どんなにアイドルがバラエティに進出しようと、握手会を重ねようと、グループとしての姿が一番見えるのはコンサートです。そして、嵐は自分たちの見せたい嵐・ファンの見たい嵐はコンサートにあると信じています。そう、櫻井さんと松潤のコンサートにおける役割は、そのままグループを前に進めていく時の立場と同じなのではないかと俺は考えました。
内側から理想を見ている松潤、外側から現実を見ている櫻井さん。「見せ方」を考える松潤、「在り方」を考える櫻井さん。十代の頃は育てる・育てられる関係だった師弟が肩を並べて両輪になっている。激アツですね。




結局何が言いたいかっていうとアラフェス'13のDVDやべえよ!ってことなんですけど、マジでこれは嵐をそんなに知らない人にこそ観てほしい。DJがステージに乗ったまま移動していくという斬新さ。カッコいいのはカッコいいんですけど、落ち着いて考えるとけっこう面白いよな(笑)